「プロジェクト・ヘイル・メアリー」文庫版下巻の感想。上巻の感想はこちら → 【プロジェクト・ヘイル・メアリー 上】 いろんな非現実的な要素すべてに納得感がある【小説】
ちなみにこの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」文庫版は税抜1500円もする。本を買う時に値段なんて見ないから普通に1000円以内かと思っていた。レジで値段知った時に驚いたよ。間違って単行本を手に取ったのかと思った。ただ読み終わった今なら、それだけの価値がある本だったと断言できる。
感想
今作は現在パートと過去パートが並行して進む。グレース博士がどうしてこの必死のプロジェクトに乗組員として参加することになったのだろうと不思議だったが、まさかあんな本人の意思を無視した強引な方法だったとは。ストラットやばいな。いやストラットに対してマイナスの印象は全くない。普通にすごいと思う。
でも、そんなふうに無理やり船に乗せられたグレース博士が最後は自分の意思で、自分の命と引き換えに友人とその種族を救う決断をしたことにすごく感動した。科学的な要素に納得感があるSFってだけじゃなくてシンプルにストーリーも面白い。ストーリーがかっこいい。
最後はハッピーエンドなのかな。わからない。地球に帰ってストラットをぶん殴る博士の姿も見たかったといえば嘘になる「火星の人」ではマーク・ワトニーの武勇伝をすべて地球が知ることができた。でも今回は違う。グレース博士の成果は地球に届いたかもしれないが、その思いまでは多分地球には伝わらない。もしかしたら他の2人は死んで1人で問題を解決したことも知らされていないのかもしれない。それがとても悲しい。彼の活躍を、彼がどんなに苦しんだかを地球にも知ってもらいたい。だからシンプルにハッピーエンドと思えない。だからこそいい終わり方だと思う。このモヤモヤする終わり方とても好き。ずっとこの物語のことを考えていられるからだ。ハッピーエンドで終わった話なんて次の日にはもう忘れてしまう。でも最後のオチ、彼のエリドでの生活。これは最高だ。思わず笑顔になった。
解説を読んで知ったが、本作は3作目なんだな。てっきり「火星の人」の次に書いた本かと思った。第2作「アルテミス」も読みたい。その前に映画を観に行かないと!