「このミステリーがすごい!2018年版」第1位に輝いたミステリー小説「屍人荘の殺人」を読んだ。ただ読むだけではつまらないので謎解きパートに入る前に一度読書を中断しちょっと推理もしてみた。
まあ、何もわかんなかったんですけどね。
第五章、3日目早朝の描写。いや、確かにね、違和感は感じたよ。でもスルーしちゃったんだよなあ。ううう。屋敷の見取り図見返せばよかったあああああ。そこだけが悔しい。そこ以外のトリックは多分考えてもわかんなかったと思う。自分が唯一わかるとしたら、あの矛盾だったなあ。
そして第五章の冒頭のモノローグ。This is 叙述トリック。見事に騙されました。そうか、そうきたか。 ネタバレを知って読み返しても震えるね。何も嘘ついてない。いや確かに犯人の独白「一人称」を明白にするのはちょっと変だなとは思っていたんだよなあ。映画撮影時に葉村が手帳を持ち去ろうとした重元に食いついたところもちょっと違和感は感じたんだよな。別に語り部に意味不明なキャラ付けする必要はないやろと。あれもちゃんと意味あったんやなあ。いやあ、脱帽です。
全ての殺人が「ゾンビの生態」を利用したトリックだった。ゾンビという非現実的なものを扱う以上、最悪ゾンビ以外の非現実的なもの存在を否定できないのではないか?(つまりゾンビがありなら瞬間移動もありになるのでは?)と思ったが、ゾンビの生態についてもちゃんと描写されていた(描写された、あるいは説明されたゾンビの生態を元にトリックを推理することができた)ので文句はない。
BBQの時の時計盗難事件もちゃんと意味のある描写だったんやなあ。明智さんの「神紅のホームズ」ぶりを描写するシーンかなとしか思えなかった。明智さん・・・・・・ いや、奇跡を信じていたが・・・・・・ やはり、そうか。出番は少なかったが好きなキャラクターだった。でも最後の比留子さんの言動はよかったね。カタルシスを感じた。いいミステリーはミステリー以外の要素も面白い。
ホワイダニットを重視すると言っていた比留子さんだが、結局この事件では犯人に聞くまでそれを解き明かすことはできなかったのもちょっと面白い。現場に犯人の思いは残っていたが流石に状況が特殊すぎたか。
さて、ミステリー小説に対し本気で謎解きを試みたのは本作が初めてだった。結果は惨敗。残念。でも面白かった。本気で推理した分、謎解きパートのカタルシスは普通に読むより感じられたと思う。この読書の仕方は時間を要する点がデメリットだが次もやってみようと思う。