魔法少女育成計画「赤」 を読んだので振り返る───
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魔法少女育成計画「白」を読んだ時、そのキャッチコピーであった「スノーホワイト最後の戦い」とはなんなのか、スノーホワイトはシリーズ最終巻の「赤」でどうなるのか、次のように予想していた。
- 姫河小雪がスノーホワイトではない魔法少女になる
個人的はこれを推す。スノーホワイトの物語は終わるが姫河小雪の物語は続くという展開だ。「赤」は姫河小雪が次に変身する魔法少女の名前も示唆しているのかもしれない。魔法少女の改名は過去に例はないが(逆に改名は難しいという話がある)同じ魔法少女名を他者に引き継ぐ例はあるから、特別な事情で改名するという展開はなくもない気がする。そうでなくとも精神と身体の分離はちょいちょい描かれてるからそういう意味でもあり得ない展開ではない気がする。ただあまり幸せな結末ではないな───
半分くらい当たった?でも別に不幸な結末じゃなかった。スノーホワイトはスノーホワイトではなくなったかもしれないが、スノーホワイトのスノーホワイトとしての正しさは失っていない。ピティ・フレデリカはリップルにスノーホワイトが正しくあるためには倒すべき必要悪が必要だと嘯いたが、もちろんそんなことはなかった。強い敵がいるとか許せない奴がいるとか関係なく自分自身がそうあるべきだと信じることがスノーホワイトだった。それがスノーホワイトの強さだった。フレデリカはスノーホワイトはいずれ孤立すると言っていたが、そんなこともなさそうだ。スノーホワイトの心の中にはこれまで出会った魔法少女たちがいる。背中を押してくれている。というか今はリップルが文字通り心の中にいる。
ピティ・フレデリカ。いい悪役だった。客観的に見ればやってること自体は別に間違ってなかったってところがいい。やってることは間違ってないけどやってる奴が間違っているというほぼ私怨に近い形でいろんな奴に敵視された魔法少女だった。でも嫌われることを厭わず、むしろ正義の味方に倒されることを本望とする変態だった。不老不死を夢見る悪役はいるだろうが、正義に成敗される快感を思い繰り返し味わうために永遠を求める悪役は初めて見た。終わりがないのが始まり───
そういや、ハードゴア・アリスという不死身の魔法少女が最初にいた。あの魔法今考えてもチートだな。プリンセスシリーズじゃなくて、ハードゴア・アリスとシャッフリンシリーズを組み合わせたら最強だったのでは?オールド・ブルーがハードゴア・アリスと接触する機会がなかったのが悔やまれる───
魔法少女育成計画の魅力といえば次々と命を落とす魔法少女たちだろう。今巻では死に際が描かれない魔法少女も多かった。これはちょっと不満だ。魔法少女の死に際の輝き、その想い、そして最期の言葉、それを知りたいんだよ。いつの間にか死んでましたじゃつまらない。まあ、色々な陣営が入り乱れる乱戦の描写、ということかもしれない。
一方、雷将アーデルハイト、見事な戦いだった。仲間のためとか生き残るためとかじゃなくてただ勝利のための最善手をとっていたというところがいい。フレデリカの企みを阻止したのは瀕死のメピス・フェレスだった。死に際の魔法というとlimitedを思い出す。正直メピスの魔法微妙やなと思っていたし、実際現身の体を手に入れたフレデリカにはあまり効いてない描写もあったが、最後の最後でクリーンヒットしたのは最高だった。limited考えるとメピスは死んだかと思ったけど、普通に生き残ってて驚いた。
さて、スノーホワイトの物語はいったん終わりを迎えた。しかし、魔法少女育成計画はまだ終わらない。restartのアニメ化も決まっている。この調子で最後までアニメ化してほしい。特にlimitedとbreakdownをアニメで見たい。原作の方もまだ続くだろう。やはりプリンセス・デリュージを軸に話が進むのだろうか。スノーホワイト改めスノーブラッドも前作主人公的に登場するのかな(スノーホワイト自身もある意味前作主人公的な立ち位置だったが)。
これからの魔法少女育成計画が楽しみだ。これからもどんどん魔法少女が死にまくってほしい。