2026-03-24

【バトル・ロワイアル (上)】モブがいい【感想】

 『バトル・ロワイアル』の上巻を読んだ。

高見広春『バトル・ロワイアル 上』(幻冬舎文庫)

大好きな設定

外部と交信できない閉ざされた空間での殺し合い。大好きな設定だ。『魔法少女育成計画』が大好きな理由もこれ。
 『バトル・ロワイアル』という作品自体は以前から知っていて、いつか読みたいと思っていた。おそらくこの設定、「閉鎖空間サバイバル系」とでも言えばいいのだろうか。バトル・ロワイアルが初出、あるいはこの作品によって広く知られるようになったのだと思う。詳しくは知らないが、当時は社会問題にもなったと聞いている。

モブがいい

 話の構成としては、いわゆる群像劇と言ってもいいだろう。もちろん主人公っぽい人物、秋也はいるが、描写は各生徒ごとに細かく切り替わる。これは小説だからこそできることだと思う。漫画だと1ページあたりの情報量が限られるので、短いスパンで複数の人物や場面を描写するのは難しいだろう。

 おそらくクライマックスまで生き残るであろう登場人物は長く、濃く、過去や人間性が語られる。一方で、登場して数ページで死ぬモブもいる。これがいい。 デスゲームものの醍醐味だ。
 わずか数ページで、その人物の過去と現在、そして最期まで語られる。決して短くないはずの人生が、たった数ページであっけなく終わるところが味わい深い。生き残りが少なくなる下巻では、この感覚は味わえなくなるのだろうな。

オチ

 どんなオチになるのだろうか。全滅か、それとも脱出か。まあ、川田と秋也が命と引き換えに典子を救うけど、結局典子は衰弱死する、というのがありがちなパターンかもしれない。まあ正直、オチはそこまで重要ではない。
 とはいえ、気になる伏線はある。例えばプログラム経験者の再参加。勝者にはその後の人生を保証する、と説明されていたが、全然保証されていないじゃないか。ただの嘘なのか、それとも伏線なのか。あとはプロローグにあった「ハッキングされた云々」の報告書。あれが原因で後に何か起こるのだろう。そうなると脱出エンドもあるのかもしれない。島から脱出したあと、街で祝杯をあげているところを殺される、なんて展開もありそうだ。

 デスゲーム系で納得できるオチを見たことがない。というか、そもそも最後まで作品を追いかけること自体が少ないのだが……。とはいえ、ある程度納得のいく結末をつけてくれると嬉しい。

 というわけで、下巻を読む───