2024年、4年ぶりの優勝を果たした福岡ソフトバンクホークス。しかしまだまだ厳しい戦いが残っていた。そう クライマックスシリーズ(CS) である。CSを勝ち上がらないと日本シリーズに進むことはできない。過去、ホークスはペナント1位でCS敗退したこともあるし、2位からCSを勝ち上がり日本一に輝いたこともある。今回はペナント1位で迎えるCS。そんな「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」を振り返る。
相手は「2位北海道日本ハムファイターズ」
ファーストステージは2位の北海道日本ハムファイターズと3位の千葉ロッテマリーンズの戦いだった。第2戦、ロッテはファーストステージ突破まであとアウト2つというところで万波に起死回生の同点ホームランを打たれた。あのホームランはゾッとしたね。マンチュー… ここで打つか… 益田… ここで打たれるか… 結局第2戦は日ハムがサヨナラ勝利、第3戦も日ハムが勝利しファイナルステージ進出を決めた。
まさにファイターズらしい勢いのある戦い方だった。この勢いに呑まれたら普通に負けるぞと思った。新庄監督はエース伊藤をファーストステージで投げさせなかった。相性のいいホークス相手に投げさせるため温存するという賭けに出たのだ。ファーストステージに勝ってもファイナルステージで勝てなければ意味がないということだろう。そしてその賭けに見事勝ったのだ。さらにシーズンのホークスとファイターズの対戦成績は5分だった。しかもシーズン終盤ホークスはファイターズに7連敗もしていた。もう不安要素をあげればキリがない。
なんなら待ってるだけのホークスに負傷者が続出していた。なんで??????
近藤健介復帰
悪いニュースばかりではない。シーズン後半に負傷離脱した近藤が1軍に帰ってきた。
スタメンかどうかは微妙だったがベンチにいるだけでも大きい。代打の切り札としても頼もしい存在だ。
シーズン前半に負傷離脱した柳田もCSに間に合った。打線に関してはベストメンバーに近い形でCSに挑むことができたのはとても助かった。
第1戦
迎えたCSファイナルステージ第1戦。先発は予想通りホークス有原、ファイターズ伊藤。
見事勝利!!!
伊藤を打ち崩した。これに尽きる。なんでそれをシーズンでやらんのかという話でもある。
有原もよく抑えた。レイエスにホームランは打たれたがあれは仕方ない。ソロならオッケー。レイエスの前にランナーを出さなかったことが大きかった。
9回は守護神オスナ。球速は150キロ前半で本来の球速にはまだ及ばないかなと思ったが、カットボールが良かった。藤井・松本が離脱している中、頼もしい男が帰ってきた。
この川瀬の守備が試合の流れを、いや、シリーズの流れを変えた。これが抜けていたら負けていた。
…うん、ナイスキャッチ。
第2戦
2連勝!!王手!!!
日ハムは1番万波2番清宮の超攻撃的打順。こういう奇抜なスタメンを躊躇なく組めるところが新庄監督のすごいところだと思う。この打順が見事に決まり初回2連続ツーベースで先制された。今季から先発に転向し最優秀防御率も獲得したモイネロは苦しい立ち上がりになった。
一方ホークスのスタメンは1番ダウンズ2番柳田というこちらもなかなかワクワクする打順だ。
ダウンズは今季支配下選手登録期限ギリギリに獲得した外国人選手だ。どちらかというと来季に向けての補強かなと思ったが、消化試合で1軍に上がり日ハム戦で好成績を残したこともありCSのベンチ入りを果たした。特に日ハム先発の加藤貴之からホームランを打ったこともあり相性を変われてのスタメンになった。
そのダウンズが打って走って守っての大活躍。ホークスファンが夢見たガルビスじゃん。なんで日ハム相手だとこんなに打てるんだ。3打数2安打2四球1得点。
ダウンズは素晴らしい
神・降臨
ホークスに来てくれて本当にありがとう───
【試合速報📣】
— パ・リーグ Special【RakutenTV公式】 (@Rakuten_Pacific) October 17, 2024
H-F 5回表#福岡ソフトバンク「#モイネロ 投手」
二死満塁のピンチを抑える❗️
試合は2点差のまま5回の裏に入ります⚾#プロ野球#sbhawks
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ここでレイエスを討ち取ったのが本当に良かった。ソロや先頭でヒット打たれたり最悪ホームランでも仕方ない、絶対に抑えるべき時に抑えればいいって甲斐も考えているんじゃないかな。
第3戦
3連勝!!!!CS突破!!!!!!!
日ハムのスタメンはまさかの1番マルティネス2番レイエスの助っ人コンビ。いやあ、新庄監督には毎度驚かされる。実際この打順に効果があるかどうかわからないけど、相手の動揺を誘うとかはありそうだよね。
そんな新庄マジック相手に先発のスチュワートは初回完璧な立ち上がりを見せる。ストレートの球速が150キロ後半だったからこの時は「あ、これ長い回を投げることを考えてないな」と思ったけど、2回以降はそこまで出力あげずに投げてたね。結果的に粘りの投球で5回86球2失点で降板。十分にゲームを作ってくれた。今シーズンようやく1年間通してローテを守り抜いたスチュワート。ただ投げる球を見るとまだまだ物足りない。お前はもっと凄い成績を残せるはずだ!それこそ佐々木朗希みたいな圧倒する投球ができる投手だと思っている。
スチュワートは2026年まで契約延長したらしい。来年・再来年、「早くメジャー行け」と言われるようなピッチングを魅せてほしい。
先制点は山川のバットから。さすが4番。頼もしい。鬼気迫るような顔だった。藤井からサヨナラホームラン打った時も同じ顔してた。
2者連続三振!杉山投手が完璧なリリーフをみせる!
— 福岡ソフトバンクホークス(公式) (@HAWKS_official) October 18, 2024
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今シーズン一番成長を見せた選手といえば杉山だろう。いや、お前、マジで誰?いい球を投げるがコントロールが悪い、そんなピッチャーが最強セットアッパーへと変貌した。まさか杉山がこんな頼りがいのあるリリースになるとは思っていなかったが、こんな投手になってほしいと夢見た投手になってくれた。
鉄壁のリリーフ陣が最後まで日ハム打線を0に抑え見事勝利!日本シリーズへの切符を手に入れた。
勝負の分かれ目
まあ普通に考えれば近藤山川がいて負けるわけにはいかないんだよね。やはり近藤山川が効果的にヒットやホームランを打ち打点を上げてくれたことが勝因であることに異論はないだろう。ただそれとは別に守備にも注目すべきだと思う。第3戦が終わった後でも、「第1戦の川瀬の守備が大きかった」といろんな人が言っていた。第3戦の決勝点も守備の乱れから生まれたものだ。打つ方は10回中7回失敗してもまあ許されるが、守る方はたった1回のミスが許されない世界だと思う。守備は完全に個人の世界だ。他の人がカバーしてくれるものではない。「打線のつながり」って言葉はあるけど「守備のつながり」とは言わないもんね。 このCSを見て、たった1つのミスが命取りだということが改めて感じられた。
日本シリーズへ
セ・リーグのCSはまだ終わっていない。レギュラーシーズン3位の横浜DeNAベイスターズの快進撃が続いている。こちらも守備のミスが勝敗につながっているようだ。相手がどこであれ戦い方が変わることはないだろう。最終的な目標は日本一だ。
個人的に注目している選手は津森だ。基本的に短期決戦は実績は関係なく今調子がいいピッチャーを投げされるのが鉄則だが、それでも本来であればセットアッパーとして投げなければいけない投手だと思う。もし津森が首脳陣の信頼を得られていたらヘルナンデス・オスナ3連投という賭けに出る必要はなかっただろう。日本シリーズでは確実に出番があるはずだ。今シーズン後半は少し不甲斐ない投球が続いたかもしれないが、日本シリーズという大舞台で津森らしい豪快なピッチングを見せてほしいと思っている。