2024-07-07

【葬送のフリーレン 12】特典小説の手触りが最高です【感想】

漫画

葬送のフリーレン 12 | 書籍 | 小学館

勇者一行として魔王を倒し、その後も長く生きるエルフの魔法使い・フリーレン。女神の石碑に触れた途端、彼女の意識は過去へと遡る――物語は、過去を慈しみ、未来に希望を…

 葬送のフリーレン 12巻を読んだので振り返る。

 女神の石碑に触れたフリーレンがヒンメル達と共に旅していた頃にタイムスリップしたところから始まる。思い出以外で勇者パーティの旅が語られるとは思わなかった。ヒンメル達だけでなく魔族達にもフリーレンが未来から来たことがバレているけどこれ最終的にどう収集つけるんだろう。過去に戻るときに記憶も修正されるのかな?

 勇者パーティの旅はフリーレンが思い出として語っていた通りだったようだ。困っている人々を助けながら寄り道を繰り返す旅だった。いやーアイゼンって前衛としてめちゃくちゃ優秀やったんやな。初撃全部あいつが受けてるじゃん。昔は防御魔法があんまり発達していなかったみたいだから、アイゼンが文字通りパーティの盾として頑張ってたのかもしれない。フリーレンが前衛を欲しがったのも納得だ。

 フリーレンが元の時間に戻るための呪文はヒンメルが魔王討伐後見つけ石碑に刻むことになる。なんともロマンチックな話だがそうなるとやはりタイムパラドックスの問題が発生する。フリーレンが未来から来たことが過去のヒンメルの未来に影響を与えているからフリーレンが未来に帰るときに記憶が修正されるということはなさそうだ(記憶が修正されるならばそもそもフリーレンが未来に帰れない)。フリーレンが未来に帰った後は当然過去のフリーレン、つまりヒンメル達と旅をしていたちょっと冷徹なフリーレンが帰ってくるのだが、ヒンメル達はフリーレン(未来)ことをフリーレン(冷)に秘密にしたまま魔王討伐の旅を続けるのだろうか。
 一方魔族サイドはそんなに穏やかではない。フリーレンが未来から来ていることを知った上で未来に帰る前に抹殺しようとしている。でも絶対失敗するよね。だって石碑に未来に戻る呪文が刻まれてるもん。仮にフリーレンが過去で殺されたらヒンメルが呪文を探す旅に出る必要がなくなるからね。まあ、創作物のタイムパラドックスなんて考える方が野暮だと思っているからあんまり気にしないでいこう。

 さて、そんな考察はともかくヒンメル、ハイター、フリーレンの3人は七崩賢の1人「奇跡のグラオザーム」の魔法「楽園へと導く魔法(アンシレーシエラ)」により夢の世界に囚われてしまう。フリーレンは以前「万物を黄金に帰る魔法(デイーアゴルゼ)」を解除した実績があるが、あれは事前の準備の賜物だった。今回グラオザームとの衝突は明らかに想定外だから事前に準備はできていないはずだ。ただグラオザームの魔法自体は知識として持っているようだから何かしらの対応策を持っているのかもしれない。
 同じく楽園へと導く魔法(アンシレーシエラ)をくらったヒンメルはフリーレンとの結婚式を夢見ていた。そんな夢を持ちながら生涯童貞を貫いたお前は立派だよ…
 フリーレンが見ている夢も気になる。未来のフリーレンの旅の目的を考えると「ヒンメルとの再会」が叶えたい夢だろうが、過去に戻ったフリーレンは既にその夢を叶えているんだよな… なんだろう、普通に魔導書に囲まれた部屋で過ごすとかじゃないか。

 今回購入した12巻には特典として特別短編小説「奏送」が付いていた。

NOVEL|アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト

毎週金曜よる11時放送!原作: 山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)、マンガ賞2021 大賞受賞作が待望のTVアニメ化!“魔王を倒した後の世界”を舞台に繰り広げられる、魔法使いフリーレンと仲間たちの旅路。

 小説の内容自体はwebで公開されいてるが、特典の小説は装丁がしっかりとしていて手触りがいい一品となっている。
 内容は非常にシンプルで、1人で旅をしているフリーレンが途中寄った町で人助けをする話だ。魔族との戦いが活発化する前の旅の雰囲気を小説でも味わうことができる。最後フリーレンがたった3ヶ月という短い時間を感じることができている描写が気に入っている。

 タイムスリップ編に突入した葬送のフリーレン。葬送のフリーレンがタイムパラドックス問題にどう折り合いをつけるか楽しみだ。