2024-07-04

【カバー株式会社 第8期定時株主総会】yagooメン限マシュマロノック【振り返り】

ホロライブ

 2024年6月27日に開催されたカバー株式会社 第8期定時株主総会をオンライン視聴したので軽く振り返る。全体を通して谷郷社長(以後愛称を込めてyagooと呼びます)が進行・発言する形だった。その中で気になったのは以下の3点。

  1. 中国含めたグローバルなIP展開を進める
  2. 1タレントの依存度は5%である
  3. メタバースについてカバーに優位性がある

1. 中国含めたグローバルなIP展開を進める

 最近のホロライブはJP以外のタレントの活動が活発だ。海外拠点「COVER USA」ワールドツアーホロEN新人「Justice」デビュー。そして中国の動画共有サービス「bilibili」で配信活動が行われるという話もSNSで流れてきたが、公式からは特にアナウンスはなかった。
 自分もそうだが中国の活動にあまりいい印象は持たないホロライブファンは多いと思う。当然、株主総会の質疑応答でbilibiliでの活動について質問があった。やはり会社主導で中国での活動を進めていくとの回答だった。まあ、グローバルなIP展開を進める以上、10億人の市場を無視するわけにはいかないだろう。ホロライブCNはどうするんだろう?復活するのかな?中国での活動を本格化させるならホロライブCNも遅かれ早かれ活動再開する気がする。

2. 1タレントの依存度は最大5%である

 これはタレントの離脱が事業に与える影響についての質問への回答で述べられたことだ。「1タレントへの依存度は高々5%だから1人抜けても問題ないよ」ということだろうが、一人一人のホロメンを応援するファンからしてみれば 「そういうことじゃないんだよ」 と言いたいだろう。とはいえ1人のタレントに依存しすぎるのも不健全な体制とも言えよう。実際これまで何度かタレントの離脱があったがホロライブ自体が大きく傾くという事態にはなっていない。
 今紫咲シオンが休止中だが、彼女が参加している 魔法少女ホロウィッチ! というプロジェクトは特に問題なく動いている。個人的にこれはとても凄いことだと思っている。配信者も人間である以上恒久的に活動することはできない。つまり配信活動を主軸としたビジネスはリスクがあることを意味する。しかし、ホロメンに依存せずにIPビジネスを展開できるとそういったリスクを低くすることができる。
 もちろんカバーがホロメンや配信活動を軽視しているわけではないが、より健全なIPビジネスを行うために配信活動に依存しない形でビジネス・プロジェクトをより進めていくのかなと思っている。

3. メタバースについてカバーに優位性がある

 ホロアースの進捗についての回答でバーチャルなキャラクタービジネスの展開という点で国内・国外問わず有利なポジションにあるという発言があった。確かに自分もVTuberとメタバースは相性がいいなとは思っていたけど、yagooの口からその優位性について直接聞けるとは思わなかった。メタバース界隈には「結局メタバースって何するところなの?」という雰囲気が漂っていると思う。実際に触れてみるとわかるかもしれないが、結局こういう未知のサービスって最初に触れてもらうことが一番難しい。ザッカーバーグのMetaを触ってみようとする人・触ってみたいと言っている人周りにいる?そんな中で「ホロメンのライブが3D空間で見れる!」とか「ホロメンと同じバーチャル空間で生活できる!」みたいなイメージをユーザーが既に持っている(実際にそれが実現できるかは置いておいて)ことはつまり一番難しい課題を既にクリアしているということなのだ。
 さらにホロアースはまだベータ版であるにも関わらずホロメンの配信を通し多くのユーザが利用していることがわかる。カバーはゲーム会社として実績のないがホロメンの集客力をそのままデバッグに利用することができている。ゲーム開発者にとってはめちゃくちゃありがたいことだと思う。
 例えるなら大谷翔平はいるけど彼が活躍できる野球場は絶賛建設中みたいな感じかな。まだ建設中の平凡な野球場でもそこで大谷翔平がキャッチボールするならそれを見にくる観客はそこそこいるだろう。見に来た人は「トイレが汚い」とか「席が狭い」とか色々文句を言うだろうが、当然貴重な意見として取り入れて改善に繋げることができる。むしろまだ建設中だから今のうちに不満・文句はどんどん言って欲しいって感じだ。宣伝や集客にコストを払わずに開発にリソースを割くことができると色々上手くいきそうだよね。カバーは早く大谷翔平がプレーできる野球場を完成させてくれ───


 他にも「3Dスタジオをタレントが配信でも使えるようにしたい」や「ホロアースはマルチデバイス対応は必須と考えている(今のところPCだけ)」といった、新しい情報も公開された。質疑応答ではやはりセキュリティ、特に情報漏洩についての質問が多く、「情報管理研修をしている」という回答を3回くらい繰り返していた。まあみんな気になるよね。

 巷ではyagooメン限だのyagooマシュマロノックだの言われているが、まあ確かにそんな感じだった。社長がここまでタレント化するのもVtuber運営会社らしい。どちらかというとホロライブファン向けな感じで資本家としては物足りないかもしれなかったが、個人的には聞きたいことも聞けたし満足した株主総会だった。