2024-09-18

【コードギアス 奪還のロゼ 最終幕】奪還とはなんだったのか【感想】

映画

2024年5月に第1幕が公開された 「コードギアス 奪還のロゼ」 。その最終幕を観に行ったので振り返る。

モヤモヤする終わり方だった。 第1幕、というか第1話はあんなにワクワクしたのになあ。第1幕と最終幕で監督代わった?色々と中途半端に終わった気がする。
 あまりネガティブなことを言いたくはないが、モヤモヤポイントを吐き出させてもらう。

モヤモヤポイント

結局奪還していない

「奪還のロゼ」 と言うタイトルが示すように本作のテーマは 「奪還」 だ。そのハズだ。ロゼ(サクヤ) の目的は自らの影武者として捕らえられた親友(サクラ)を助けること、つまり 奪還 することだった。でもサクラちゃん、特にロゼと関わることなく脱出してるじゃん。「奪還のロゼ」じゃなくて「脱出のサクラ」のほうがよかったんじゃない? 戦いが終わった後もサクヤとサクラのやり取りは特になくて軽く会釈しただけで終わったし、なんか拍子抜けだった。感動の再会シーンは第1幕でやっていて、最後に同じことやっても天丼だから避けたのかな。じゃあ再会は最後までとっておけよ。

2回目のギアス

 ローランドとの最終決戦に挑む前、アッシュはサクヤに再びギアスをかけるよう頼んだ。これはスザクの「生きろ」ギアスと同じように、ギアスの力によって自らの意思を超えた力を引き出すためだ。強制的に「守るものがる奴は強い」という状況を作った形だ。逆に言うとアッシュにとってサクヤは本気で守る対象ではなかったのだ。 仮に守る対象が本当の弟(ニコル)だったらギアスをかけずとも戦うことができただろう。
 アッシュから見たらサクヤは自分の心を踏み躙った悪女だ。ただ、皇重護(サクヤの父)との約束を守るため、サクヤを護衛したに過ぎない。気になるのはサクヤがそれを意識していない、意識した描写がなかったことだ。 普通にアッシュのことを命を賭けて国を守った英雄としか思っていない。アッシュがギアスの奴隷になることを選んだのは別に自己犠牲だけではない。アッシュにはローランドを倒した後生きる意味がないんだよ。だからあの戦いが終わった後のことなんて考えていないんだ。 だからギアスで心を歪められることも受け入れることができた。でも、サクヤがそのことに気づかず生き残ったヒロイン面しているところが気に食わない。

横乳ツインテールちゃん(キャサリン・サバスラ)の結末

 最初は良かった。ローランドの強さに心酔する戦闘狂。魅力的なキャラクターだった。彼女が操縦するナイトメアがまるでモビルトレースシステムのように女の子の動きをするのも良かった。
 ただ本筋と関係ないところでローランドに敗北し、ローランドに幻滅し、物語から脱落した。サクラを立たせるためのキャラクターだったのか?サクヤとサクラの絡みがなさすぎてついていけなかった。主役であるサクヤやアッシュともう少し直接絡むシーンがあった方が良かった。こんなに魅力的なキャラクターなのに正直持て余してるよ。
 でも最後まで生き残ってくれて良かった。ぜひ彼女(サバスラちゃん) を主役にしたスピンオフを見たい。

ローランドの正体

人間には理解不能な生命体を描きたいからといって視聴者にも理解できないキャラクターにするな。 いや、受け手に理解されなくてもいいから、受け手が納得するような描写をしてほしかった。他の作品を例に出すのはあまり好きではないが、テラフォーマーズのゴキブリや魔人探偵脳噛ネウロのシックスは人の理解を超えた存在でありながらもその意思や目的に説得力があった。もう少し受け手に寄り添った描写が欲しかった。ローランドはちょっと存在感がなかったかな。

良かったところもある

 いろいろモヤモヤポイントを吐き出したが、別につまらなかったわけではない。最終決戦の戦闘シーンは良かったし、サクヤとアッシュが力を合わせて戦うところも王道で良かった。戦いが終わった後、サクヤがギアスを封じた点も気に入っている。彼女使うギアスは少し卑怯な強さだと感じていたから、サクヤがそれを認識していたことを知ってホッとした。
 点数をつけるなら、第1幕が120点、第4幕までが-80点、合計40点かな。

最後に

 この数ヶ月、新しいコードギアスの物語を味わうことができて楽しかった。確かに終わり方はちょっとモヤモヤしたけど第1幕をネタバレなしで観ることができて本当に良かったと思う。コードギアスシリーズはこれからも続いてほしい。本作でも「ギアスキャンセラー」「シャルルのクローン」「ギアスのかけら」などなど広げ甲斐がありそうな要素が散りばめられていた。ロゼのスピンオフや新シリーズがあればまた追いかけたいと思う。